正しい知識で、賢くリフォーム
リフォームの
知っているようで知らないこと
長寿命の「フッ素」「シリコン」「「ラジカル制御無機」塗料や「遮熱塗料」やFRPといった防水塗装など、塗装時の足場を利用して一緒にメンテナンスするとお得なポイントなどをお話します。
外壁の塗装はとかくお金が掛かりますが、少し予算が掛かっても長寿命の塗料を選択された方が足場代など長い目で見ると有利になります。
最新の塗料のことを知って、「家(うち)もそろそろ時期なのかな!?」と思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
2000年代までは価格と艶の良さで塗る場所を選ばないウレタン系の塗装が主流でした。今塗替えをされる方は、高耐久で汚れがつきにくいフッ素やシリコン無機といった塗膜材料が主流になってきています。少し予算はプラスになってしまいますが、次回の塗替え時期が延びることで、足場代含めてトータル的にはメリットがある点が人気なのでしょう。
よく使用されることにより、金額的にも昔に比べ下がってきていることや塗料に鉛が入っていないなど環境に配慮した点も増えている要因でしょう。
・ラジカル制御無機塗料
無機塗料でも劣化しにくい(ラジカル制御)樹脂を合わせた新しいタイプの塗料。
次回塗り替えは20年と、2017年現在最長寿命。おすすめ最新の塗料です。
ラジカル制御 : 塗料に使用されている白色。その中に含まれる酸化チタンが紫外線など外的要因で発生するラジカルという物質が塗料の劣化を早めてしまいます。
このラジカルが発生しても悪さをしないよう制御した塗料です。2017年現在、新しい塗料に属します。
無機塗料 : 無機物である鉱石やガラスは紫外線で劣化しません。これだけでは固すぎて塗膜にならないため、樹脂と混ぜて長寿命化させた塗料です。
こちらも、2017年現在新しい塗料で、しっかりした施工を伴って性能が発揮されます。
・フッ素系樹脂塗料
高額ですが長寿命のため、最近では一番人気の塗料です。
価格も落ち着き一般家庭への塗装として採用が増えてきています。
耐候性(紫外線による劣化)が強く、水となじみ易い性質のため、セルフクリーニング効果により窓や換気口サイドの水たれじみ跡が残りにくいです。
次回塗替え時期が長く、15年程度。
塗る素材を選ばないオールマイティー型で、施工性が良いのも特徴です。
・シリコン樹脂塗料
水性と溶剤型があり、人気の塗料です。
光沢低下や変色が少なく高耐候。
特殊セラミック成分により親水効果によるセルフクリーニング効果を高めています。
次回塗替え時期は、12年程度。
弱溶剤タイプはオールマイティー型。
最近では同モデルのUVが発売され、対紫外線ではより優れています。
水性タイプは油性でないため、環境に優しく臭いも弱い特性があります。
・ウレタン樹脂塗料
施工性が良いオールマイティー型で、艶があるのが特徴。
次回塗替えは7~10年程度。
安価で、2000年代は主力であった塗料です。
・アクリル樹脂塗料
安価であり、数年前までは新築のサイディングの塗装で主流になっていた塗料です。
耐候性は最近のものに比べ低い。次回の塗替え時期は5~6年程度。
塗膜より外壁材の継ぎ目シーリングの劣化の方が早く、5年程度で劣化するともいわれています。しっかりしたシーリングがあってこそ、しっかりした防水対策をされた服をまとっているといえるでしょう。 最近は良い塗料を選択されるお客様が多いので、このシーリングのやり替えも必ずお勧めさせていただいています。 高耐久であれば次の塗替えまで通常より長く(15~20年程度)なりますので、おろそかにはできない点です。
シーリングの劣化(破断・痩せ)
※全ての外装材共通
外壁目地・サッシ廻り・その他各所にて破断が見られます。
雨水が侵入してしまう状態です。
横張りサイディングの目地は特に切れやすいです。
破断は経年劣化や外的要因によるものです。特に横張りのサイディングは構造的に大きく動きやすいので破断しやすくなります。
シーリング自体の性能によるところも大きいです。
シーリング材は、建造物の気密性・水密性を保つために非常に重要な役割を果たすものです。放置すると内部の防水シートまで痛めたり、サイディング材自体も吸水して脆くなってしまいます。
従来品では10年程度の耐久性です。20年の耐久性・耐候性を有するシーリング材をおすすめします。
【おすすめシーリング材】
オートンイクシード
カラーベストや板金(鉄骨の平屋根に採用されている折半板金)の屋根には、遮熱形の塗料をお勧めしています。
少しだけ高いのですが、夏場の空調の電気代も低減でき、環境に優しい最新の技術が投入された塗料です。
普及タイプと比べて最大約15℃の塗膜表面温度差が報告されています。
たくさんの方が働いている工場では、空調費のコストダウン・労働条件改善のため、最近は金属屋根だけでなく一般的なカラーベスト屋根へも採用をいただいています。
施工も昔ほどシビアな技術が必要ではなくなり、非遮熱塗料との金額差もどんどん無くなってきているのが増えてきている理由です。
弊社でも試験的に遮熱塗料(ホワイト色)で物置の金属屋根部に施工済みで、触って比べてみるとその違いが明らかです。また、色も日焼けクリームがそうであるようにホワイト(カラーベストでは難しいでしょうけど・・・)にすれば、赤外線反射率が高まり相乗効果が得られます。
屋根カラーベスト施工例
ベランダの防水工事を外してしまったり、手抜きをすると、雨漏りで家屋にとっては甚大な被害が出てしまいます。
また、塗装が長寿命になってきていますので、一緒の時期にしっかり施工をしましょう。
・シート防水
合成ゴムや合成高分子シートを接着剤で貼り付ける防水です。
シートは大丈夫なことがほとんどですが、トップのコーティングとしての塗装は必要です。
雨漏りの原因にもなりますので、立ち上がりの接合シーリングの悪い箇所を直して外部の塗装と一緒に施工しましょう。
・FRP防水
和船などに使用されていて、コンクリート製の屋上や広い面積のベランダに採用されています。
トップの塗装部は、劣化し素地のガラス繊維でまで進んでしまう前に再施工が必要です。劣化が進行してしまうと、下のFRPをケレン(削って除去)してFRP部からのやり直しとなり、このやり替えは金額がかかってしまうところです。
・ウレタン塗装防水
柔軟性のあるウレタンゴムの塗膜で形成され、一般住宅のベランダや集合住宅に多い防水で、特にコンクリートのように動きのある躯体に採用されています。
このタイプも長い年月では、割れ・劣化が発生してきますので、その箇所の補修をして、トップコートの再塗装が必要な防水です。
「数年前に塗装したばかりなのに、鉄骨の外階段のみさびがすぐ発生して全体の美観が・・・」というお客様がいらっしゃいました。
鉄部内部からのさびの発生により塗装表面が割れてしまうため、FRP防水したところ、同じ年数が経っても大変綺麗な状態です。鉄の素材自体を守るには有効で、なにより建物全体の印象が変わってお施主様にも喜んでいただけました。
このFRP防水は、ベランダや集合住宅の通路部に以前使われた防水モルタルでの仕上げの上に施すと、外観の印象も良くなるのでお勧めです。
和調の軒天・霧除け下部に木材を露わにしたお宅なら、この木部を専用の木材保護着色塗料で塗りましょう。耐候性・撥水効果・防腐・防カビ・防虫効果があり、しかも木部に最適な通気性を保つ浸透タイプになっています。
この際に、木の色が変わっているようであれば、事前に木部のアク抜き(アク洗い)後に着色してあげると、新築の当時のような透明感ある自然な木目が蘇り、家全体が完全リフレッシュされ引き締まった姿になります。
ただ、以前に違う塗料での施工をされた後では、この方法が使用できないことがありますので、事前に確認してもらって下さい。この出来栄えは大変美しく、実績からはお客様の満足度が高いので是非一緒に試されると良いと思います。
塗装の足場を利用して、雨漏りの点検修理の依頼や雨樋・樋受けの交換、朽ちてしまったアンテナと架台の交換、エアコン冷媒のカバー取替、外部の照明の交換の依頼があります。メンテナンス点検だけでも一緒にされる良い機会です。
これらを一緒にされる際には、塗装以外の業者さんとの連携が不可欠なので、日程など打ち合せや準備が必要になりますので、事前に確認しておきましょう。次に足場を掛けるのは10〜20年後になりますからね・・・。
切妻屋根の破風(画像参照)に木材そのままの仕上げになっている時の板金貼りです。水分を吸いやすい木材への塗装は、収縮を繰り返すうちにその塗膜がすぐにひび割れて、他の部分の次回塗装時期まで持たないので、板金での貼り込みで木材寿命を延ばし、この変更でデザイン的にも引き締る印象になるようになります。
庇や屋根がトタンで錆がひどくケレンしての塗装に耐えられないような場合は、上から葺きかえることもあります。さびにくいガルバリュウム鋼板や軽量のアルミサイディングを選択することがよいでしょう。
和風のお宅には、屋根瓦の隙間に詰めてある白い「漆喰」塗りと瓦屋根のすずめ口の漆喰塗りをはく離落下しない「プラスチック面土」への施工をすることもあります。すずめ口のやり替え作業は雨樋の交換が必要になったりもします。
樋を交換の時はスチール製の「樋受け」からステンレス素材タイプにすれば、いつまでも錆びずにメンテナンスもフリーです。「プラスチック面土」や樋の交換は足場がないと大変困難な作業になりますので、是非一緒に検討してみてください。
今回外壁塗装について書いて見ましたが、一口に塗装といってもたくさんお知らせしないといけないことがあるものだと感じました。
良い塗料を選択することにより、次回の施工までの期間も長くなってきています。塗装以外でも関連するメンテナンスも考慮した外部リフレッシュ工事と位置するのが良いでしょう。
エネジンリフォームでは、お客様と一緒に考え、最適な提案をしていきたいと考えています。
ほんの些細な疑問やご相談がありましたら、どんどん弊社までお問合せください。
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